I-neb AADネブライザを用いた吸入方法

I-neb AADネブライザ(I-neb)とは

ベンテイビス®は、肺血管拡張薬の中で唯一の吸入プロスタサイクリン誘導体製剤であり、患者さん自身が専用の吸入器I-neb AADネブライザ(医療機器製造販売届出番号11B1X00022000051)(以下I-neb)を用いて吸入することにより、肺から直接、肺動脈血管に作用します。
一般に、吸入療法では薬液が直接肺に到達することから、注射剤や経口剤に比べて少ない投与量で臨床効果を得ることができ、全身への影響(副作用)は少なくなると期待されています。
また、吸入療法にて、薬剤が末梢気道および肺胞に沈着するためには、1~5μmの粒子径が適しています。

呼吸器系と粒子径の関係
呼吸器系と粒子径の関係

A Guide to Aerosol Delivery Devices for Respiratory Therapists, 3rd Editionより改変

I-nebは株式会社フィリップス・ジャパン製の携帯型ネブライザで、薬液を末梢気道および肺胞への沈着率がよい粒子径6μm未満のエアゾールとして噴霧します。

I-neb
I-neb

I-nebは、最初の数回の呼吸の変化をモニタリングし、患者さんの呼吸パターンに合わせて最適な薬液噴霧のタイミングと量を判断します。さらに吸気前半の間に薬液の噴霧を行なうことで、気道のより深い領域へ薬液が到達する可能性が向上しました。

I-nebの薬液噴霧と呼吸との関係
I-nebの薬液噴霧と呼吸との関係

株式会社フィリップス・ジャパンより提供

吸入中はI-nebが継続的に呼吸をモニタリングし、患者さんの呼吸パターンに合わせながら薬液を噴霧します。吸入にあたり、ゆっくりと安定した呼吸を続けることで、ベンテイビス®を効率よく吸入することができます。患者さんの呼吸は様々です。速い呼吸、頻呼吸の場合でもI-nebは患者さんの呼吸に合わせ、噴霧を吸気の前半にのみ行います。

I-nebの薬液噴霧と呼吸パターン
I-nebの薬液噴霧と呼吸パターン

ベンテイビス®を効率よく吸入し、その臨床効果を十分に発揮させるためには、I-nebを用いて正しく吸入する必要がありますので、患者さんにI-nebの正しい操作法を指導してください。
なお、I-nebの詳しい説明については、「I-neb AADネブライザの添付文書および取扱説明書」を参照してください。