解剖 / 病態編 (テキスト解説)

4. 腎臓(ネフロン)

腎臓(ネフロン)

腎臓の主な働きは、血液を濾過し、尿をつくることです。 腎臓で濾過される血液は心拍出量の20〜25%であり、濾過された後は原尿となります。糸球体で濾過され腎小体に排出された原尿は約180リットルになり、そのほとんどが尿細管で再吸収され、残った約1.5リットルが尿として尿細管を通り、腎盂に集められ尿管を通って膀胱へ排出されます。

 

ボウマン囊の中で輸入細動脈が分枝した後に毛細血管となってかたまりになったものが糸球体です。ボウマン囊と糸球体を合わせて腎小体といいます。また、ボウマン囊からは尿細管が出ており、腎小体と尿細管を合わせてネフロンといいます。

 

ネフロンは左右の腎臓合わせて200万個ほど存在しますが、実際に機能しているのはその10%程度です。このため、腎臓は左右のどちらか1つでも十分に機能するといわれています。

 

このように、腎臓は尿をつくるだけでなく、原尿から尿細管において再吸収を行い、体内の水分量や電解質濃度を一定に保つホメオスタシス(体内の恒常性)の維持も担っています。

 

さらにホルモン分泌による体内水分量や血液成分の調節も行っており、なかでも、輸入細動脈の壁にある傍糸球体細胞から分泌されるレニンは血圧調節に重要な役割を果たしています。