治療編 (テキスト解説)

24. その他降圧薬(一覧)

その他降圧薬(一覧)

その他、降圧薬として用いられる薬剤は上記の通りです。

 

中枢性交感神経抑制薬は血管運動中枢のα2受容体を刺激し、交感神経活動を抑制し、末梢血管の収縮を抑制して降圧効果をもたらします。眠気、口渇、倦怠感、陰萎など副作用が多く、通常他剤を用いることができない場合や多剤併用でも血圧コントロールが困難な場合に使用されます。眠前投与により副作用が軽減されます。腎機能障害時にも使用できます。メチルドパは妊娠高血圧において使用され、グアナベンズやクロニジンは突然中止すると離脱症状が出現することがあります。単独で投与する場合にはナトリウムおよび水分貯留がみられ、利尿薬の併用が有用です。

 

末梢性交感神経抑制薬は交感神経末梢にあるノルアドレナリンを枯渇させます。降圧効果は良いものの、副作用が多く、重篤なうつ症状が現れることがあります。

 

血管拡張薬は血管平滑筋に直接作用して血管拡張により降圧効果をもたらします。ヒドララジンは速効性があり、高血圧緊急症にも用いることができます。また、妊娠高血圧症候群にも用いられます。副作用としては狭心症発作、頭痛、動悸、頻脈、浮腫などがみられるほか、劇症肝炎の報告もあり肝障害を有する場合には禁忌とされています。連用で全身性エリテマトーデス様の症状が発現することもあります。

 

直接的レニン阻害薬はレニンに直接結合し、レニン・アンジオテンシン・アルドステロン系を阻害します。持続的な降圧効果が得られるとされています。RA系阻害薬が積極的適応であるにも関わらず、副作用等の理由によりARBやACE阻害薬が使用できない症例に適応となります。