ドイツで合成され、日本の研究者によって育まれてきたアダラート。
高血圧・狭心症治療という使命を果たしてきたこれまでの軌跡をご紹介します。
日独のCa拮抗薬研究、ここに始まる
ドイツ・バイエル社医薬中央研究所のBossert、Vater両博士によって、強力な血管拡張物質としてニフェジピンを発見。
バイエル社の働きかけにより日独共同で基礎研究が開始。
研究の中心となったのは、日本の橋本教授は冠血管拡張作用を証明し、Fleckenstein教授はCa2+イオンの細胞内への流入阻害によりもたらされるニフェジピンの作用を明らかにした。
東北大学
医学部 薬理学教室
橋本 虎六 教授(当時)
ドイツフライブルグ大学
生理学教室
Fleckenstein 教授(当時)
ニフェジピンの抗スパズム作用発見
日本では、木村栄一教授(当時)が、1968年、狭心症に対する優れた効果を報告しました。 その後、ニフェジピンは強力なスパズム作用により異型狭心症に著効を示す事が報告され、こうして1976年、日本で狭心症治療薬「アダラート(カプセル)」は発売されました。
日本医科大学
第一内科
木村 栄一 教授
(当時)
ニフェジピンの研究成果発表
基礎・臨床研究の成果を踏まえ、第1回研究会(BAY a 1040カンファレンス)が伊豆下田で開催された。(※写真:第1回BAY a 1040カンファレンスの記念メダル)
ニフェジピンの高血圧に対する臨床成績発表
村上元孝教授(当時)により、世界で初めて高血圧に対する臨床成績が発表されました。
そして、1985年には高血圧への適応をもつアダラートL錠が発売され、高血圧治療に革命的な変化をもたらしました。
金沢大学
医学部 第二内科
村上 元孝 教授
(当時)
狭心症治療薬としてアダラートカプセル発売(ドイツ)
狭心症治療薬としてドイツにてアダラート(カプセル)発売。
日本にてアダラートカプセル発売
※販売中止
世界心臓学会にて心臓の木を発表
心臓の木は、当時、ハイデルベルグ大学のSchmier先生により発表された、ニフェジピンの犬冠動脈狭窄に対する作用、すなわち側副血行路を発達させて狭窄部末梢領域の心筋血流量を増加させたという成績をモチーフにして制作された。
ガレヌス賞・メディク賞を受賞
循環器疾患の治療に革命的な変革をもたらしたアダラートは、科学者たちによって治療に新たな道を開いたと賞賛され、1980年にフランスで名誉あるガレヌス賞、メディク賞を相次いで受賞した。
高血圧に適した剤型として、1日2回投与のアダラートL錠発売
※販売中止
1日1回型アダラートCR錠発売
アダラートCR錠は、更なる副作用の軽減、おだやかな降圧効果の発現、そして1日1回投与を目指して開発されました。製剤の設計において、最高血中濃度を低く抑え、そしてゆっくりとピークに達すること、しかも24時間血中濃度を持続させることを目標として開発されました。
アダラートCR錠20mgスモール錠発売
アダラートCR錠40mgスモール錠発売
アダラートCR錠が1日80mgまで使用可能となる追加承認を取得
Adalat 40th Anniversary
日本でアダラートが発売してから40年を迎えました。