【目的】
エゼチミブまたはアトルバスタチン単剤治療でLDL-Cの脂質管理目標値に達していない日本人高コレステロール血症患者を対象に、アトーゼット®配合錠LD(エゼチミブ10mg/アトルバスタチン10mg配合錠)及びHD(エゼチミブ10mg/アトルバスタチン20mg配合錠)の長期投与の安全性及び忍容性を検討
【試験デザイン】
多施設共同非盲検長期投与試験(第Ⅲ相臨床試験)
【対象】
高コレステロール血症患者及びFHヘテロ患者135例(アトーゼット®配合錠LD 117例、アトーゼット®配合錠HD 18例)
【投与方法】
アトーゼット®配合錠LDまたはアトーゼット®配合錠HDを1日1回1錠52週間経口投与
【評価方法】
主要評価項目
有害事象の発現率 など
副次評価項目
・治療期52週時までのLDL-C、TC、HDL-C、non-HDL-C、TG及びApo Bのベースラインからの変化率
・治療期52週時までのLDL-Cの脂質管理目標値の達成率
【解析計画】
安全性及び忍容性について、臨床的観点から評価した。また有効性は各用量を52週間投与した際の平均値、標準誤差及び95%信頼区間(CI)を開始用量別に算出した。さらに、事前に設定された年齢、性別、前治療の脂質異常症治療薬などの各部分集団別LDL-Cの変化率と、リスク区分別の脂質管理目標値達成率についてサブグループ解析を行った。リスク区分は、動脈硬化性疾患予防ガイドライン2012年版の「冠動脈疾患の一次予防のための絶対リスクに基づく管理区分」によるカテゴリーⅠ、Ⅱ、Ⅲと、冠動脈疾患の既往(二次予防)、家族性高コレステロール血症に分類した。有効性についてはFAS※を対象として解析した。
※:FASは、治験薬が1回以上投与され、ベースラインまたは投与後のデータがある被験者からなる。
〈安全性(安全性解析対象集団)〉
[主要評価項目]
有害事象の発現率は全体で135例中113例;83.7%(アトーゼット®配合錠LD群:82.9%、アトーゼット®配合錠HD群:88.9%)であり、主な有害事象は鼻咽頭炎42.2%(アトーゼット®配合錠LD群:42.7%、アトーゼット®配合錠HD群:38.9%)であった。重篤な有害事象は、アトーゼット®配合錠LD群で7例9件(脳梗塞、鼡径ヘルニア、虚血性大腸炎、膜性糸球体腎炎、尿管結石症、狭心症、進行性核上性麻痺、心筋虚血及び挫傷)、アトーゼット®配合錠HD群で2例3件(肺の悪性新生物、硬膜外血腫、硬膜下血腫)であった。投与中止に至った有害事象は、アトーゼット®配合錠LD群で4例5件(脳梗塞、子宮内膜症、膜性糸球体腎炎、尿管結石症、挫傷)、アトーゼット®配合錠HD群で1例1件(肺の悪性新生物)であり、死亡例はなかった。また、副作用(本剤との因果関係を否定できない有害事象)は認められなかった。