今さら聞けない医学統計の基本

医学統計の基本シリーズ第2回:
統計解析結果を正しく解釈する 解説1

最初に、2つの治療方法に差があるかどうかの仮説検定を例にとって説明するね。
統計学では、まず「2つの治療方法には差がない」という仮説を立てます。これを「帰無仮説」といいます。
その次に、「帰無仮説が正しい」という前提のもとで、観察された群間差よりも帰無仮説から極端に離れた結果を得る確率(P)をデータから計算します。このP値が予め決めた「有意水準」よりも小さければ,「帰無仮説が正しい」と考えるよりは帰無仮説を棄却したほうがデータ上合理的と考え、「2つの治療方法には差がある」ということになります。

Alt tag
Alt tag

ということは,P値というのはデータと帰無仮説の矛盾度合を測る指標ということですか?

その通り!!

Alt tag
Alt tag

「有意水準」とは、P=0.05のことですか?

その通り!!一般的にP<0.05で統計的に有意と判定するのは知ってるわよね。

Alt tag
Alt tag

ハイ。それだったら知ってます。この記事にもP=0.095って書いてありますし。
P値はよく目にします

最近はパソコンが身近にあって信頼できるソフトウェアも使えるようになったから、P値は簡単に計算できるようになったね。昔は、検定統計量をまず計算して、それから適切な分布表の有意水準に相当する統計量と大小をくらべ、有意かどうかを判定していたんだよ。

Alt tag

「A薬とB薬で効果に差があるか?」を検定したい。

Alt tag

「A薬投与群とB薬投与群には差がない」という帰無仮説をたて、得られたデータをもとに、データと帰無仮説の矛盾度合いを測るP値を計算する。

Alt tag

P値が、有意水準(0.05)よりも小さければ、帰無仮説を棄却する。つまり、「A薬投与群とB薬投与群で統計的に有意な差がある」と判定する。

図 仮説検定の手順
(出典:浅井隆:いまさら誰にも聞けない医学統計の基礎のキソ第1巻,32ページ,アトムス,2010(転載))

P値を解釈するにはいくつかの点に注意する必要があるので、細かくみていきましょう。

Alt tag