今さら聞けない医学統計の基本
高血圧患者1,000例を対象としたランダム化比較試験で、降圧薬Aがプラセボと比較して収縮期血圧を有意(P<0.05)に低下させることが示された。
プラセボと比較した降圧薬Aの投与前後の差の大きさは3mmHgで,その95%信頼区間は1~6mmHgであった。
このことから、「降圧薬Aによる投与前後のデータと矛盾しない治療効果の大きさの範囲は,1~6mmHgである」と解釈できる。
つまり、「降圧薬Aの効果は,大きくても6mmHgで、場合によっては1mmHgしか血圧を下げないかもしれない」ということになる。
結果を見ると、降圧薬Aを投与しても収縮期血圧は高いままである。
図 統計的有意差と臨床的に意味のある差
(出典:浅井隆:いまさら誰にも聞けない医学統計の基礎のキソ 第3巻,127ページ,アトムス,2010(一部改変))