今さら聞けない医学統計の基本
(出典:浅井隆:いまさら誰にも聞けない医学統計の基礎のキソ 第3巻,vii-viiiページ,アトムス,2010)
例文①
心筋梗塞の既往を有する患者の再発予防に、抗血小板薬Aおよび抗血小板薬Bが有効だと知られている。しかし、抗血小板薬Aと抗血小板薬Bで、どちらの方が高い再発予防効果を示すかは示されていない。
そのため、抗血小板薬Aまたは抗血小板薬Bを投与し、どちらが有効に心筋梗塞の再発を抑制できるのか比較検討した。
例文②
心筋梗塞の既往を有する患者の再発予防に、抗血小板薬Aおよび抗血小板薬Bが有効だと知られている。しかし、抗血小板薬Aと抗血小板薬Bで、どちらの方が高い再発予防効果を示すかは示されていない。
今回、これら2つの代表薬を比較検討した。
(出典:浅井隆:いまさら誰にも聞けない医学統計の基礎のキソ 第3巻,12-13ページ,アトムス,2010)
【目的】
脂質異常症の治療には、スタチン薬Aおよび胆汁酸吸収阻害薬Bが有効であることが知られている。しかし、スタチン薬Aおよび胆汁酸吸収阻害薬Bで、どちらの方が高い脳血管イベント抑制効果を示すかは明らかになっていない。
そのため、スタチン薬Aおよび胆汁酸吸収阻害薬Bを投与し、どちらが脳血管イベントの発症抑制に有効であるか比較検討した。
【評価項目】
頚動脈の内膜中膜複合体厚(Intima Media Thickness:IMT)
【目的】
心筋梗塞の既往を有する患者の再発予防に、抗血小板薬Aおよび抗血小板薬Bが有効であることが知られている。しかし、抗血小板薬Aと抗血小板薬Bのどちらが再発予防効果が高いか明らかになっていない。
そのため、抗血小板薬Aまたは抗血小板薬Bを投与し、どちらが心筋梗塞の再発をより抑制するか比較検討した。
【評価項目】
主要評価項目:3年以内の心筋梗塞の再発
副次評価項目:3年以内の全死亡、脳卒中、心血管死
【結果】
心筋梗塞の再発:両群に有意な差はなし
全死亡:抗血小板薬A群で抗血小板薬B群よりも有意に低下
脳卒中:両群に有意な差はなし、心血管死:両群に有意な差はなし
【結論】
抗血小板薬Aは、抗血小板薬Bよりも有意に死亡リスクを低下させた。
ハードエンドポイント
死亡や心筋梗塞発症、血圧値など、基準が明確に決まっており、だれが判断しても同じ結果が得られるもの
ソフトエンドポイント
心不全悪化による入院、PCIの施行、痛みの程度など、医療従事者や患者の意思によって結果が変わる可能性のあるもの
(出典:山崎力, 小出大介:臨床研究いろはにほ,21-22ページ,ライフサイエンス出版,2015(一部改変))