医学統計の基本シリーズ第2回:

統計解析結果を正しく理解する 解説3:臨床的に意義のある「有意差」かどうかを確認しよう

円城寺

P値は、グループ間に統計的な有意差があるかどうかを⽰してくれるけど、臨床効果の程度の差を⽰すものではないから、処置によって期待される効果とは反対の⽅向に有意差がみられることも想定できるよね。
ということは、P値と⼀緒に結果の数値を確認する必要があるということ。

円城寺
三宅

加えて、P値で「有意差あり」と判定されても、それが「臨床的に意義のある差」かどうかは判断できない。そこで「群間差の信頼区間」を⽤いて、仮説検定の結果から出た有意差が臨床的に意味のある差かどうかを判定する必要が出てくるんだ。

三宅
円城寺

統計学的な有意差があって、ターゲット集団で真の差があったとしても、臨床的には意味のない差だった・・・なんてことも場合もあるのよ。

円城寺
若林

真の差があるのに、臨床的には意味がない・・・そんな状況あるんですか??

若林
円城寺

例を出して考えてみましょうか。

円城寺
⾼⾎圧患者1,000例を対象としたランダム化⽐較試験で、降圧薬Aがプラセボと⽐較して収縮期⾎圧を有意(P<0.05)に低下させることが⽰された。
若林

確かに、これでは統計学的に「有意差あり」でも、「臨床的に意義のある差」とはいえないですね。どうしてこのようなことが起きるのでしょうか?

若林
円城寺

例えば症例数が⾮常に多い場合、臨床的に意義のある差はないにもかかわらず、仮説検定で「有意差あり」と判定されやすくなります。

円城寺
若林

症例数は、多ければ多いほど良いというわけではない、ということですね。

若林
三宅

ただ、逆に対象者が少なすぎると、本当は差があるのに仮説検定で「有意差なし」となってしまうことがあるからね。 
研究内容に応じて、適切な症例数を設定することが重要なんだ。

三宅
円城寺

症例数が⼗分であれば、「有意差なし」の信頼性は変化します。次はその点を整理してみましょう。

円城寺