作用機序
ロスーゼット®は1剤でコレステロールの肝臓での合成と小腸での吸収を阻害する作用を有します。
コレステロールの多くは肝臓で合成されます。脂肪酸の酸化でアセチルCoAが生成され、それを原料にHMG-CoAが産生、HMG-CoAはHMG-CoA還元酵素でメバロン酸へと変換されて、様々な代謝を受けることでコレステロールに変換されます。肝臓にプールされたコレステロールの一部は胆汁酸に代謝されて、余分なコレステロールとともに胆汁性コレステロールとして、腸管内に排泄されます。
小腸では、胆汁性コレステロールと、食事により摂取される食事性コレステロールが吸収されます。コレステロールは小腸壁細胞からNPC1L1(コレステロールトランスポーター)を介して取り込まれた後、カイロミクロンが生成され、血中に入り、代謝を経て肝臓に送られます。
1)Turley SD et al. Prev Cardiol 2003 Winter;6(1):29-33, 64.より作図
ロスバスタチンは、HMG-CoA還元酵素を選択的かつ競合的に阻害することで、肝臓内のコレステロール合成を阻害します。エゼチミブは、小腸のNPC1L1に結合することで、コレステロール及び植物ステロールの吸収を選択的に阻害します。 その結果、肝臓内ではコレステロールが減少し、コレステロール量を保つために二次的な作用としてLDL受容体が増加し、LDLが取り込まれることにより、血中のLDL-C値が低下すると考えられています。 ロスーゼット®配合錠は、1剤でコレステロールの肝臓での合成と小腸での吸収を阻害する作用を有します。
ロスバスタチンとエゼチミブによる作用機序
2)クレストール®インタビューフォーム 2020年6月(改定第21版)より作図3)Jia L et al. Annu Rev Physiol 2011; 73: 239-259.より作図