製品Q&A
製剤に関する項目
A:
一包化は可能です。
なお、PTPから取り出したアダラートCR錠は、やや湿度に弱く、高温多湿(40℃75%RH)条件下では、1.5ヵ月目以降に膨潤がみられ、6ヵ月目には水分含量増加に伴う分解物ニトロピリジン体が0.4~0.5%認められています1)。このため、PTPから出した後は、高温、多湿、直射日光を避け、可能な限り乾燥剤とともに保管するようお願いいたします。
♦♦参考文献♦♦
1)アダラートCR錠インタビューフォーム(第10版)P8
PP-ADA-JP-0169-06-12
A:
分割・粉砕はできません。アダラートCR錠はバイエル薬品独自の製剤特許技術を用いた有核二層構造の徐放性製剤であり、1日1回の服薬で24時間にわたる安定した臨床効果が得られるよう製剤設計を工夫しています。
分割・粉砕により溶出挙動が変わり、24時間効果が持続しなくなります。また、ニフェジピンは光(直射日光、室内散乱光含む)に不安定なため1)、遮光性のコーティングを施しており、粉砕・分割により遮光性が失われ、失活するおそれがあります。
♦♦参考文献♦♦
1) アダラートCR錠インタビューフォーム(第10版)P5
PP-ADA-JP-0169-06-12
A:
消化管液の豊富な小腸上部でゆっくりニフェジピンが溶出する外層部と、消化管液の少ない結腸で比較的すみやかに溶出する内核錠を組み合わせた有核二層構造の徐放性製剤です。外層部は水溶性基剤の遮光フィルムでコーティングされ、内核錠は素錠です。
♦♦参考文献♦♦
アダラートCR錠インタビューフォーム(第10版)P6
PP-ADA-JP-0169-06-12
A:
外層部の黄色はニフェジピン自体の色です。内核錠には三二酸化鉄が添加されているため赤く見えます。これは製造工程で内核錠の位置を確認しやすくするためです。
PP-ADA-JP-0169-06-12
治療
A:
効能又は効果は以下のとおりです。
- 高血圧症、腎実質性高血圧症、腎血管性高血圧症
- 狭心症、異型狭心症
♦♦参考文献♦♦
アダラートCR錠電子添文(第1版)
PP-ADA-JP-0169-06-12
A:
用法及び用量は以下の通りです。効能又は効果ごとに用法及び用量が異なりますので、ご注意ください。
- 高血圧症:通常、成人にはニフェジピンとして20~40mgを1日1回経口投与する。ただし、1日10~20mgより投与を開始し、必要に応じ漸次増量する。なお、1日40mgで効果不十分な場合には、1回40mg1日2回まで増量できる。
- 腎実質性高血圧症、腎血管性高血圧症:通常、成人にはニフェジピンとして20~40mgを1日1回経口投与する。ただし、1日10~20mgより投与を開始し、必要に応じ漸次増量する。
- 狭心症、異型狭心症:通常、成人にはニフェジピンとして40mgを1日1回経口投与する。なお、症状に応じ適宜増減するが、最高用量は1日1回60mgとする。
♦♦参考文献♦♦
アダラートCR錠電子添文(第1版)
PP-ADA-JP-0169-06-12
A:
1日80㎎(40㎎1日2回)までの用法及び用量は高血圧症のみです。狭心症に対しては、通常40mg1日1回投与し、症状に応じ適宜増減しますが、最高用量は1日1回60mgまでです。
◆◆参考文献◆◆
アダラートCR錠電子添文(第1版)
PP-ADA-JP-0169-06-12
A:
服薬時刻に特に決まりはありませんが、より安定した効果を得るためには毎日決まった時刻に服薬することが重要です。
高血圧症の承認取得のための臨床試験では、1日1回の場合は朝食後に、1日2回の場合には朝食後と夕食後に服薬していました。
PP-ADA-JP-0169-06-12
薬効薬理・薬物動態
A:
有効成分であるニフェジピンは血管平滑筋細胞の膜に存在するカルシウムチャネル(膜電位依存性 L型Ca++チャネル)を遮断し、細胞外Ca++の血管平滑筋細胞内への流入を抑制することで、筋原繊維ATPaseの活性化を阻害し、筋細胞の機械的収縮を抑制します。その結果、全身細動脈及び冠動脈を拡張させ、血管抵抗の減少と血流量の増加をもたらし、抗高血圧作用及び抗狭心症作用を示します。
♦♦参考文献♦♦
アダラートCR錠インタビューフォーム(第10版)P19
PP-ADA-JP-0169-06-12
A:
食事の影響はほとんど受けません。
健康成人男子にアダラートCR錠40mgを空腹時及び朝食後30分に単回投与したところ、Cmax(最高血漿中濃度)、AUC(血中濃度-時間曲線下面積)、MRT(平均滞留時間)など、いずれのパラメータも食事による影響はほとんど認められませんでした。
♦♦参考文献♦♦
アダラートCR錠インタビューフォーム(第10版)P26
PP-ADA-JP-0169-06-12
安全性(特殊患者を含む)
A:
ニフェジピンは肝臓でほぼ完全に代謝されるため、肝機能が低下している場合には血中濃度が上昇することがあります。また、肝硬変患者においてニフェジピンが門脈血流量を増加させることで、門脈圧を上昇させたとの報告があるため、重篤な肝機能障害のある患者さんには慎重に投与してください。
♦♦参考文献♦♦
アダラートCR錠電子添文(第1版)
アダラートCR錠インタビューフォーム(第10版)P28、P36
PP-ADA-JP-0169-06-12
A:
ニフェジピンは肝臓でほぼ完全に代謝され、代謝物の約60%が尿中に排泄されますが、活性を有する未変化体の尿中への排泄は認められていません。ただし、重篤な腎機能障害のある患者では、急速な降圧等により腎機能が悪化するおそれがありますので、重篤な腎機能障害のある患者さんには慎重に投与してください1)2)。
また、血液透析患者において、透析後は過剰な体液が除去されることによって循環血液量が減少し、血圧が低下することもありますので、血液透析療法中の循環血液量減少を伴う高血圧患者さんには慎重に投与してください1)3)。
♦♦参考文献♦♦
1)アダラートCR錠電子添文(第1版)
2)アダラートCR錠インタビューフォーム(第10版)P28-29、P36
3)アダラートCR錠インタビューフォーム(第10版)P35
PP-ADA-JP-0169-06-12
A:
高齢者では一般に過度の降圧は好ましくない(脳梗塞等が起こるおそれがある)とされていますので、高血圧症の高齢者に使用する場合には低用量(10mg/日)から投与を開始するなど患者さんの状態を観察しながら慎重に投与してください。
♦♦参考文献♦♦
アダラートCR錠電子添文(第1版)
PP-ADA-JP-0169-06-12
A:
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与してください。
また、授乳婦への投与は母乳中へ移行することが報告されているため、授乳しないことが望ましいです。
[参考情報]
- 妊婦への投与について
動物実験において催奇形性及び胎児毒性が報告されています。母体や胎児及び新生児の状態を十分に観察し、過度の血圧低下や胎児胎盤循環の低下等の異常が認められた場合には適切な処置を行ってください。妊婦への投与例において、過度の血圧低下等が報告されています。
- 授乳婦への投与について
乳汁への移行が動物実験及び臨床試験によって認められています。ニフェジピンの母乳中への移行は微量であることから、乳児への臨床的な影響は少ないとの報告もありますが、乳児での使用経験が少ないことや母乳中への移行に個体差があることなどから、本剤服用中は授乳しないことが望ましいです。
◆◆参考文献◆◆
アダラートCR錠電子添文(第1版)
アダラートCR錠インタビューフォーム(第10版)P37
PP-ADA-JP-0169-06-12
A:
グレープフルーツジュースや果肉と同時に服用することは避けて下さい。
[参考情報]
ニフェジピンはCYP3A4により代謝されますが、グレープフルーツジュース中に含まれるフラノクマリン誘導体が小腸上皮細胞中のCYP3A4を阻害し、通常であれば吸収過程で代謝されていた薬物の一部が、未変化体(活性物)のまま血中に移行するため、本剤の血中濃度が上昇し、効果が増強される可能性があります。実際に、本剤投与時に、グレープフルーツジュースの影響を受けCmax、AUCが有意に上昇、クリアランスが有意に低下することが報告されていますので注意してください。
♦♦参考文献♦♦
アダラートCR錠インタビューフォーム(第10版)P50
PP-ADA-JP-0169-06-12