手足症候群とはなに?
「手足症候群」とは、抗がん剤によって手や足の皮膚の細胞が障害されることで起こる副作用です。
ネクサバール®による手足症候群は、服用開始1〜2週間が最もでやすく、手のひらや足の裏が痛くなったり、赤くなったリ、ときに水ぶくれができたりします。
手足症候群を起こしやすい抗がん剤としては、ネクサバール®以外にも主に乳がんや大腸がん、婦人科がん、腎臓がんに用いられている一部のくすりがあります。
初期症状として、チクチク感・ヒリヒリ感といった手足の皮膚の違和感があらわれることがあります。
誰でも手足症候群がでるの?
ネクサバール®服用中の患者さんでは、半数以上にでます。
手のひらや足の裏など普段から圧力や摩擦がかかるところ、皮膚が厚くなっているかかと等に多く認められるのが特徴です。
例えば、炊事や洗濯などの水仕事が多いと、症状が手にでやすくなります。
また、よく歩く人、例えば、営業の仕事で歩き回る人などは、症状が足にでやすくなります。
手足症候群がでやすい仕事や運動
どのような症状がどの部位にでやすいの?
手のひらや足の裏に、チクチク感・ヒリヒリ感といった皮膚の違和感、ほてり感、赤く腫れる、角質が厚くなるなどの症状があらわれます。
手足症候群を放置すると痛み、水ぶくれなどができ、手を使った日常的な活動や歩行が困難になることがあります。
ポイント!
手足症候群の症状の出方は人によって様々です。
手足のチクチク感、違和感から症状が始まる人もいれば、突然、痛みや水ぶくれの症状がでてくる人もいます。たとえば、普段ならなんともない通常の歩行で靴ずれ(水ぶくれ)がでてきて痛くなったりすることがあります。
また、皮膚症状と痛みは必ずしも相関しません。見た目では、赤みや水ぶくれなどの異常が無くても、自覚症状の痛みがでてくる場合もあります。
手足症候群は、手や足の圧力や摩擦のかかりやすい場所(ペンや箸があたる場所、かかとなど)にでやすいとされています。
手足症候群とはなに?
発現のピークはネクサバール®服用開始から1〜2週間ですが、2ヵ月間は特に注意が必要です。
なお、それ以降も手のひらや足の裏の皮膚の変化には注意をはらってください。
服用前からの予防措置や早期に対処することで、ネクサバール®による治療を中断することなく継続できます。
手足症候群の症状の波( イメージ図)
ネクサバール®の手足症候群は、服用開始後早期にでます。
強めの治療(強めのステロイドの塗り薬など)で、この時期を乗り切ることが、ネクサバール®継続のカギとなります。その後、手足症候群の症状が改善しても、また発現を繰り返す場合がありますので、弱めの治療で症状のコントロールをはかります。
手足症候群はなぜ起こるの?
なぜ起こるかまだよくわかっていませんが、ネクサバール®の何らかの作用が関与していると考えられます。
(手足症候群がでやすい人では、ネクサバール®による治療効果が高かったという報告もあります。)
また、手のひらや足の裏への圧力や摩擦、乾燥などといった皮膚への刺激が、発症のきっかけになると考えられています。
このため、これらの刺激から手足を守ることが、手足症候群を防ぐ上で重要となります。