
ヒアニュオ|製品Q&A
製剤に関する項目
- 湿度(25℃/90%RH、開放):1ヵ月で吸湿による質量増加、水分増加が認められましたが、性状、溶出性は変化しませんでした。
- 光(25℃、石英シャーレ):変化は認められませんでした。
A:本剤の開放状態での安定性試験(苛酷試験)において、25℃/90%RH(湿度)で1ヵ月間、光条件下で検討した結果、以下のことが確認されています1)。
参考文献:1)ヒアニュオインタビューフォーム(第1版)、 Ⅳ. 製剤に関する項目「6. 製剤の各種条件下における安定性」の項
A:本剤は抗悪性腫瘍剤であり、誤飲などの防止が特に重要であることや、取り扱う医療従事者の被曝の問題も懸念されるため、服用時までPTPシートから取り出さないでください1)。また、温度および湿度に対して影響を受けやすい製剤であることから、PTPシートから取り出した状態で保管しないでください1)。
参考文献:1)ヒアニュオインタビューフォーム(第1版)、Ⅲ. 有効成分に関する項目「2. 有効成分の各種条件下における安定性」の項
治療
- 1段階減量:1回10mg 1日2回
- 2段階減量:1回10mg 1日1回
- 中止:1回10mg1日1回で忍容不能な場合、投与を中止する。
- ベースライン値が正常範囲内の場合でグレード2のAST増加、ALT増加又は総ビリルビン増加:初回の場合はグレード1以下になるまで休薬し、1段階減量して再開できる。
- ベースライン値を問わず、グレード3のAST増加、ALT増加又は総ビリルビン増加:初回の場合はグレード1以下になるまで休薬し、1段階減量して再開できる。
- ベースライン値を問わず、グレード4のAST増加、ALT増加若しくは総ビリルビン増加又はALT若しくはASTが基準値上限の3倍以上かつ総ビリルビンが基準値上限の2倍以上:投与を中止する。
- 全グレード:投与を中止する。
- グレード2(許容できない又は再発した場合):グレード1以下に回復するまで休薬する。同じ用量又は1段階減量して再開できる。
- グレード3:グレード1以下に回復するまで休薬する。初発の場合は、同じ用量又は1段階減量して再開できる。再発の場合は、1段階減量して再開できる。
- グレード4:投与を中止する。
- (用量調節前の投与量が)1回20mg 1日2回の場合:1回10mg 1日2回
- (用量調節前の投与量が)1回10mg 1日2回の場合:1回10mg 1日1回
- (用量調節前の投与量が)1回10mg 1日2回の場合:併用しないこと。
A:本剤の効能又は効果は、「HER2(ERBB2)遺伝子変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌」です1)。
【参考情報】
本剤の電子添文「5. 効能又は効果に関連する注意」の項2)
5.1 臨床試験に組み入れられた患者の遺伝子変異の種類等について、「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、本剤以外の治療の実施についても慎重に検討し、適応患者の選択を行うこと。[17.1.1参照]
5.2 本剤の術後補助療法における有効性及び安全性は確立していない。
5.3 十分な経験を有する病理医又は検査施設における検査により、HER2(ERBB2)遺伝子変異が確認された患者に投与すること。検査にあたっては、承認された体外診断用医薬品又は医療機器を用いること。なお、承認された体外診断用医薬品又は医療機器に関する情報については、以下のウェブサイトから入手可能である:
https://www.pmda.go.jp/review-services/drug-reviews/review-information/cd/0001.html
参考文献:
1) ヒアニュオ電子添文(第1版)、「4. 効能又は効果」の項
2) ヒアニュオ電子添文(第1版)、「5. 効能又は効果に関連する注意」の項
A:本剤の用法及び用量は、以下の通りです1)。
通常、成人にはセバベルチニブとして1回20mgを1日2回、食後に経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。
【参考情報】
本剤の「7. 用法及び用量に関連する注意」の項2)
7.1 他の抗悪性腫瘍剤との併用について、有効性及び安全性は確立していない。
7.2 本剤投与により副作用が発現した場合には、以下の基準を参考に、本剤を休薬、減量又は中止すること。
7.3 強いCYP3A阻害作用を有する薬剤との併用が避けられない場合には、以下の用量調節基準に従い、本剤を減量、又は減量した用量で開始すること。用量調節前の投与量が1回10mg1日1回の場合は、併用しないこと。[10.2、16.7.1参照]
減量する場合の投与量:
本剤の休薬、減量又は中止基準の目安:
<肝機能障害>
<間質性肺疾患>
<上記以外の副作用>
※:グレードはCommon Terminology Criteria for Adverse Events(CTCAE)v5.0に準じる。
強いCYP3A阻害剤との併用時の用量調節基準
参考文献:
1)ヒアニュオ電子添文(第1版)、「6. 用法及び用量」の項
2)ヒアニュオ電子添文(第1版)、「7. 用法及び用量に関連する注意」の項
A:気づいた時点で1回分服用してください。決して1度に2回分を服用しないでください。
ただし、気づいたのが次の服用時間ととても近く、副作用の不安がある場合は、主治医や看護師、薬剤師に相談してください。
参考文献:該当資料なし
A:1日2回、食後に服用してください1)。
空腹時の投与は避けてください。食後投与により吸収が増加し、曝露量が上昇することが報告されています2,3)。
参考文献:
1) ヒアニュオ電子添文(第1版)、「6. 用法及び用量」の項
2) ヒアニュオインタビューフォーム(第1版)、 Ⅴ. 治療に関する項目「3. 用法及び用量」の項
3) ヒアニュオインタビューフォーム(第1版)、 Ⅴ. 治療に関する項目「5. 臨床成績 (2). 臨床薬理試験」の項
薬効薬理・薬物動態
A:本剤の有効成分であるセバベルチニブは、HER2(上皮増殖因子受容体2)チロシンキナーゼに対する可逆的阻害剤(TKI)です。変異型HER2(エクソン20挿入変異及び点突然変異を含む)及び野生型HER2に対して阻害作用を示し、HER2のリン酸化を抑制して下流のシグナル伝達を阻害することで抗腫瘍効果を発揮します1)。
参考文献:1) ヒアニュオインタビューフォーム(第1版)、 Ⅵ. 薬効薬理に関する項目「2. 薬理作用 (1). 作用部位・作用機序」の項
A:本剤の初回通過効果に関する明確な記載はありません(該当資料なし)。
健康成人8例に本剤40mgを食後単回経口投与したときの絶対的バイオアベイラビリティは140%でした1)。
なお、セバベルチニブの絶対的バイオアベイラビリティが100%を超えた原因について、可能性のある要因(試験デザイン、投与方法及び生体試料分析法)を調査しましたが、原因は特定されませんでした。絶対的バイオアベイラビリティは推定できないものの、糞中の未変化体の排泄率が14%であることを踏まえると、セバベルチニブの吸収率は85%以上であると考えられます。
参考文献:1)ヒアニュオインタビューフォーム(第1版)Ⅶ. 薬物動態に関する項目「4. 吸収 バイオアベイラビリティ」の項
A:本剤は主に肝臓で代謝されます。In vitro試験において、セバベルチニブは主にCYP3A4による酸化により代謝され、そのほかCYP1A1による酸化及びウリジン二リン酸グルクロン酸転移酵素(UGT)によるグルクロン酸抱合もわずかに関与することが示されました1)。
健康成人8例に[14C]セバベルチニブ40mgを単回経口投与したとき、投与14日後までに投与した放射能の83.6%及び10.4%がそれぞれ糞中及び尿中に排泄されました2)
参考文献:
1) ヒアニュオインタビューフォーム(第1版)Ⅶ. 薬物動態に関する項目「6. 吸収 (1). 代謝部位及び代謝経路」の項
2)ヒアニュオインタビューフォーム(第1版)Ⅶ. 薬物動態に関する項目「7. 排泄」の項
安全性(特殊患者を含む)
A:本剤の主な排泄経路は糞便であり、尿中排泄はわずかであるため、腎機能障害は本剤の薬物動態に影響を及ぼさないと推測されますが、投与可否は慎重にご判断ください1)。
【参考情報】
SOHO-01試験では、一部の患者に血中クレアチニン増加や蛋白尿などの腎機能障害関連事象が報告されました。これらの結果より、本剤投与との関連を明確に結論づけることは困難でしたが、腎機能障害は本剤の重要な潜在的リスクと考えられました2)。したがって、本剤の投与期間中は、観察を定期的に行うなど十分注意してください2)。
なお、重度の腎機能障害(eGFR:30mL/min未満)を有する患者および透析患者を対象とした薬物動態試験は実施されておらず、これらの患者に対する有効性および安全性は確立していません。
参考文献:
1)ヒアニュオ適正使用ガイド、「FAQ」の項
2)ヒアニュオ電子添文(第1版)、「9. 特定の背景を有する患者に関する注意」の項
A:本剤は主にCYP3A4で代謝されることが報告されています。また、SOHO-01試験では、本剤の投与期間中に約3割の患者に肝酵素増加が報告されています。一方、Grade 3以上の事象は限られていましたが、実臨床では必ずしも臨床試験と類似の背景を持つ患者に投与されるわけではないため、より重症化するケースが認められる可能性を否定できません。したがって、本剤投与開始前および投与中は定期的に肝機能検査を行い、患者の状態を十分に観察してください1)。 電子添文では、「9.3.1 重度の肝機能障害(Child-Pugh分類C)を有する患者」の項に「本剤は主に肝臓で代謝されるため、血漿中濃度が上昇する可能性がある。なお、重度の肝機能障害患者を対象とした臨床試験は実施していない。」と記載されています2)。
参考文献:
1)ヒアニュオ適正使用ガイド、「注意を要する副作用とその対策」の項
2)ヒアニュオ電子添文(第1版)、「9. 特定の背景を有する患者に関する注意」の項
A:妊婦に関しては、電子添文「9.5 妊婦」の項に「妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物において、HER2又はEGFRのシグナル伝達の欠損は、胚・胎児発育障害、胚致死及び出生後死亡に至ることが示されている。胚・胎児発生試験(妊娠ラット)において、臨床曝露量未満に相当する用量で、胎児体重の減少及び子宮重量の減少が認められている。」と記載されています1)。ヒトにおける胚・胎児毒性や胎盤移行に関するデータはありませんが、動物実験のデータより、ヒトでのリスクは否定できないと考えられます2)。
授乳婦に関しては、電子添文「9.6 授乳婦」の項に「授乳しないことが望ましい。ヒトでの乳汁移行に関するデータはないが、動物実験(ラット)で本剤又はその代謝物が乳汁中に移行するとの報告がある。乳児が乳汁を介して摂取した場合、乳児に重篤な副作用が発現するおそれがある。」と記載されています1)。ヒトにおける乳汁移行に関するデータはありませんが、動物実験のデータより、ヒトでのリスクは否定できないと考えられます3)。
参考文献:
1) ヒアニュオ電子添文(第1版)、「9. 特定の背景を有する患者に関する注意」の項
2)ヒアニュオインタビューフォーム(第1版)、Ⅷ. 安全性(使用上の注意等)に関する項目 「5. 分布 (2). 血液-胎盤関門通過性」の項
3)ヒアニュオインタビューフォーム(第1版)、Ⅷ. 安全性(使用上の注意等)に関する項目 「5. 分布 (3). 乳汁への移行性」の項
A:電子添文では高齢者に対する投与の記載はないものの、高齢者では一般的に生理機能が低下していることが多いため、慎重に投与してください。
参考文献:該当資料なし
A:本剤は主にCYP3A4により代謝されるため、電子添文では、「10.2 併用注意(併用に注意すること)」の項に「強いCYP3A阻害剤」、「中程度のCYP3A阻害剤」、「強い又は中程度のCYP3A誘導剤」などが記載されています1)。
CYP3Aを阻害する食べ物としてグレープフルーツ含有食品が知られており、CYP3Aを誘導するサプリメントとしてセイヨウオトギリソウ( セ ン ト ・ジョーンズ・ワート)含有食品が知られています。したがって、これらの食品またはサプリメントは、本剤の代謝への影響が懸念されますので、本剤服用中は摂取を控えるようにしてください1)。
参考文献:1)ヒアニュオ電子添文(第1版)、「10. 相互作用」の項
A:術前休薬期間に関して、特に規定はありません。
ただし、電子添文では、「5. 効能又は効果に関連する注意」の項に「5.2 本剤の術前・術後補助療法における有効性及び安全性は確立していない。」と記載されており、術前・術後補助療法として使用することは推奨されません1)。
参考文献:1)ヒアニュオ電子添文(第1版)、「7. 用法及び用量に関連する注意」の項