特に注意を要する副作用


心臓障害

  • 臨床試験において心臓障害の副作用が報告されており、中には重篤例も認められています。

  • 本剤投与開始前及び本剤投与中は適宜心機能検査(心電図等)を行うなど、患者の状態を十分に確認してください。

  • 本剤投与中に異常が認められた場合は、投与を中止するなど、適切な処置を行ってください。


発現状況

■ ARAMIS試験(nmCRPC)

ARAMIS試験において、心臓障害の副作用は、本剤群で1.0%[10/954例、うちグレード3以上は0.2%(2/954例)]、プラセボ群で0.5%[3/554例、うちグレード3以上は0.2%(1/554例)]に報告されました。

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グレードはNCI-CTCAE Ver.4.03に準じる。

【試験薬投与期間中央値】
本剤群:14.8ヵ月、プラセボ群:11.0ヵ月

【心臓障害の病歴を有する患者割合】
本剤群:46.1%(440/954例)、プラセボ群:40.3%(223/554例)

■ ARASENS試験(mCSPC)

ARASENS試験において、心臓障害の副作用は、本剤群で1.1%[7/652例、うちグレード3以上は0.2%(1/652例)]、プラセボ群で0.9%[6/650例、うちグレード3以上は0.2%(1/650例)]に報告されました。

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グレードはNCI-CTCAE Ver.4.03に準じる。

【試験薬投与期間中央値】
本剤群:41.0ヵ月、プラセボ群:16.7ヵ月

【心臓障害の病歴を有する患者割合】
本剤群:17.3%(113/652例)、プラセボ群:19.7%(128/650例)


重篤例の詳細

■ ARAMIS試験(nmCRPC)

ARAMIS試験の本剤投与群では、重篤な心臓障害の副作用(本剤との因果関係が否定できない事象)として、完全房室ブロック、伝導障害が各1例報告されています。なお、プラセボ群では、重篤な心筋梗塞(死亡例)が1例報告されています。

  • 症例1:完全房室ブロック

60歳代、外国人男性
病歴:左室不全、第一度房室ブロック、睡眠時無呼吸症候群、高血圧、肥満 等
併用薬:ビソプロロール、ニコランジル、Ramipril*1、リュープロレリン 等

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*1:国内未承認 

グレードはNCI-CTCAE Ver.4.03に準じる。

  • 症例2:伝導障害

60歳代、外国人男性
病歴:第一度房室ブロック、大動脈瘤、高血圧、2型糖尿病、肥満 等
併用薬:ビソプロロール、アトルバスタチン、アセチルサリチル酸リジン、メトホルミン、グリメピリド、イルベサルタン、Triptorelin Acetate*2

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*2:国内未承認 

グレードはNCI-CTCAE Ver.4.03に準じる。

■ ARASENS試験(mCSPC)

ARASENS試験の本剤投与群では、重篤な心臓障害の副作用(本剤との因果関係が否定できない事象)として、急性心筋梗塞が1例報告されています。なお、プラセボ群では、重篤な心臓障害の副作用として、心房細動、心停止が各1例報告されています。

  • 症例1:急性心筋梗塞

50歳代、外国人男性
病歴:動脈性高血圧、肥満
併用薬:アムロジピン、ゴセレリン、アトルバスタチン、リシノプリル、エナラプリル

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グレードはNCI-CTCAE Ver.4.03に準じる。


投与前・投与中の留意点

8. 重要な基本的注意(一部抜粋)
8.2 不整脈等の心臓障害があらわれることがあるので、本剤投与開始前及び本剤投与中は適宜心機能検査(心電図等)を行うなど、患者の状態を十分に確認すること。[11.1.1参照]

ニュベクオ電子添文2026年3月改訂(第7版、効能変更、用法及び用量変更)

〈投与開始前〉
心不全、心筋梗塞、不整脈等の心疾患の既往を有する患者、心血管系事象の発現リスクのある患者(高血圧、糖尿病等の合併患者)に本剤を投与する際には特に注意してください。


〈投与中〉
本剤投与中は、心臓障害に関連する症状の観察を十分に行い、必要に応じて心機能検査の実施も考慮してください。

【参考】

  • 心臓障害は、アンドロゲン遮断療法(ADT)との関連性も報告されており1),2)、心臓障害の既往を有する患者への投与は、ベネフィット・リスクバランスを考慮の上慎重にご判断願います。

  • ARAMIS試験及びARASENS試験における心血管系疾患に関連する除外基準は、以下のとおりです。

    • 無作為割付け前6ヵ月以内に、脳卒中、心筋梗塞、重度/不安定狭心症、冠動脈/末梢動脈バイパスグラフト術、NYHAの心機能分類でⅢ度又はⅣ度のうっ血性心不全の既往歴がある患者

    • コントロール不良の高血圧(スクリーニング時の収縮期血圧が160mmHg以上又は拡張期血圧が100mmHg以上)を有する患者

1) Keating NL, et al.: J Clin Oncol. 2006; 24: 4448-4456.
2) Michaelson MD, et al.: CA Cancer J Clin. 2008; 58: 196-213.


処置

本剤特有の対処方法はありません。
本剤投与中に異常が認められた場合は、投与を中止するなど、適切な処置を行ってください。


間質性肺疾患

  • 本剤との関連性は明らかではないものの間質性肺疾患が報告されていますので、本剤の投与にあたっては、初期症状(息切れ、呼吸困難、咳嗽、発熱等)の確認及び胸部X線検査の実施等、患者の状態を十分に観察してください。

  • また、間質性肺疾患の初期症状が発現した場合には、速やかに医療機関を受診するよう患者に説明してください。


発現状況

■ ARAMIS試験(nmCRPC)

ARAMIS試験において、間質性肺疾患に関連する有害事象は、本剤群で6例に認められました(肺臓炎、肺線維症 各3例、いずれも本剤との因果関係は否定されました)。
なお、プラセボ群では、間質性肺疾患に関連する有害事象は、認められませんでした。

■ ARASENS試験(mCSPC)

ARASENS試験において、間質性肺疾患に関連する副作用は、本剤群で0.3%(2/652例)に、プラセボ群で0.8%(5/650例)に認められました。

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グレードはNCI-CTCAE Ver.4.03に準じる。

【試験薬投与期間中央値】
本剤群:41.0ヵ月、プラセボ群:16.7ヵ月


重篤例の詳細

■ ARAMIS試験(nmCRPC)

ARASENS試験の本剤投与群では、重篤な間質性肺疾患に関連する副作用(本剤との因果関係が否定できない事象)として、間質性肺疾患、肺臓炎が各1例報告されています。なお、プラセボ群では、重篤な間質性肺疾患に関連する副作用として、間質性肺疾患が2例報告されています。

  • 症例1:間質性肺疾患

70歳代、日本人男性
病歴:前立腺閉塞、皮膚炎、便秘
併用薬:ドセタキセル

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注:観察期間終了後の死亡であったため、グレード評価は4と報告された。
グレードはNCI-CTCAE Ver.4.03に準じる。

  • 症例2:肺臓炎

70歳代、外国人男性
病歴:高血圧、関節炎
併用薬:ドセタキセル、アトルバスタチン、フィナステリド、タムスロシン、バルサルタン、リュープロレリン

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グレードはNCI-CTCAE Ver.4.03に準じる。


肝機能障害

  • 臨床試験において、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)及びアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)増加を伴う特異体質性肝反応を示した重篤な症例が報告されました。ビリルビン増加を伴わない無症候性の特異体質性肝反応を認めた症例も報告されています。

  • 本剤投与開始前及び本剤投与中には適宜肝機能検査を行うなど、患者の状態を十分に確認してください。

  • 本剤に関連する特異体質性薬物性肝障害※を示唆するトランスアミナーゼの上昇があらわれた場合は、本剤の投与を中止し、再投与は避けてください。

発現状況

■ ARASENS試験(mCSPC)

ARASENS試験において、肝機能障害に関連する重篤な副作用は、本剤群で1.5%(10/652例)に、プラセボ群で0.8%(5/650例)に認められました。

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グレードはNCI-CTCAE Ver.4.03に準じる。

※薬物性肝障害(drug-induced liver injury:DILI)は発症機序から、薬物もしくはその反応性代謝物の直接的な作用に起因する「本質性肝障害(intrinsic DILI)」と、個人の体質に基づくとされる「特異体質性肝障害(idiosyncratic DILI:iDILI)」に分類される。本質性肝障害は通常の肝障害と言われ、用量依存的に個体差無く発現し、病態は既知で発症の予測は比較的容易である。一方、iDILIの発症は用量、投与期間や薬理作用に依存せず、発症頻度は非常に低く、予測は困難である。(横井毅, 日本薬理学会雑誌. 2020; 155: 323-328.)


重篤例の詳細

■ ARASENS試験(mCSPC)

ARASENS試験の本剤投与群では、重篤な肝機能障害に関連する副作用(本剤との因果関係が否定できない事象)が10例報告されています。そのうち、グレード4でALT及び/又はASTが基準値上限の20倍以上に増加した2例の詳細は下記のとおりです。なお、プラセボ群では、重篤な肝機能障害に関連する副作用が5例報告されています。

  • 症例1:アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ増加、アラニンアミノトランスフェラーゼ増加

    50歳代、外国人男性
    病歴:糖尿病、高コレステロール値
    併用薬:シンバスタチン、ナプロキセン、リシノプリル、アセトアミノフェン、Hydrocodone*1

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ULN:基準値上限

*1:国内未承認
*2:総ビリルビンは基準値範囲内であった。

グレードはNCI-CTCAE Ver.4.03に準じる。

  • 症例2:薬物性肝障害

60歳代、外国人男性
病歴:心筋虚血
併用薬:ドセタキセル、ゴセレリン、Nimesulide*3、デキサメタゾン、G-CSF製剤

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AST:アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ ALT:アラニンアミノトランスフェラーゼ ULN:基準値上限
*3:国内未承認

グレードはNCI-CTCAE Ver.4.03に準じる。

注:ARASENS試験では、ビリルビンが基準値上限を超える、あるいはAST又はALTが基準値上限の1.5倍を超える場合は、ドセタキセルを投与しなかった。ビリルビン、AST及びALTは、毎回のドセタキセル投与サイクル前に測定した。


その他の注意すべき副作用

本剤の副作用として、以下の事象が特定されています。本剤投与中は、これらの副作用についてもご注意いただき、必要に応じて適切な処置を行ってください。

 

11.2 その他の副作用

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ニュベクオ電子添文2026年3月改訂(第7版、効能変更、用法及び用量変更)

  • 前立腺癌を対象とした国際共同第Ⅲ相試験(ARAMIS、ARASENS)及び唾液腺癌を対象とした国内第Ⅱ相試験(DISCOVARY:併用群)における副作用は上記のとおりですが、実臨床においては、これまでの臨床試験の結果から予期できない副作用が発現する可能性が考えられます。

  • 本剤はADT継続下で投与されるため、ADTに伴う骨塩量の低下、骨折リスクの上昇にも注意が必要です。

  • 注目すべき有害事象(ADT又は抗アンドロゲン剤に関連する潜在的又は既知のリスクである事象又は疾患)は、こちらをご参照ください。本剤投与中は、これらの有害事象の発現の可能性にもご留意ください。

本剤は、遠隔転移を有する前立腺癌においてドセタキセル併用下で投与されるため、最新のドセタキセルの電子添文や適正使用ガイドをご参照の上、ドセタキセルによる副作用にもご留意ください。
ADT及びドセタキセル併用下によるARASENS試験における有害事象の発現状況は、こちらをご参照ください。


注目すべき有害事象


国際共同第Ⅲ相試験(ARAMIS)における注目すべき有害事象*1

■ ARAMIS試験(nmCRPC)

[因果関係を問わない事象、最終解析時(データカットオフ:2019年11月15日)]

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*1: 二重盲検期間における有害事象を集計。本剤群の投与期間の中央値は、二重盲検期間中は18.5ヵ月、二重盲検期間とオープンラベル期間を合わせた期間は25.8ヵ月であった。 
プラセボ群の投与期間の中央値は、二重盲検期間中11.6ヵ月であった。クロスオーバー群の投与期間の中央値は、オープンラベル期間中の11.0ヵ月であった。 
*2: MedDRA用語のあらゆる骨折および脱臼、四肢骨折および脱臼、頭蓋骨骨折、顔面骨骨折および脱臼、椎体骨折および脱臼並びに胸郭骨折および脱臼 
を組み合わせた用語。  
*3:MedDRA用語の無力症状態、意識障害、筋力及びエネルギーの減少、倦怠感、嗜眠及び無力症を組み合わせた用語。 
*4:基本語の皮疹、斑状皮疹、斑状丘疹状皮疹、丘疹性皮疹及び膿疱性皮疹を含むMedDRAのlabeling grouping。 
*5:非盲検期に、本剤群のてんかんの既往歴のある患者1例に追加の痙攣発作の発現が1件みられた。 
*6:MedDRAの高位語。 
*7:グレード5の事象は、二重盲検期間中に本剤群の2例と、二重盲検期間中にプラセボ群3例で発現した。 
*8:ベースライン時の不整脈既往の頻度に群間で不均衡がみられた。 
*9:グレード5の事象は、二重盲検期間中に本剤群3例、プラセボ群1例、及びクロスオーバー群の1例で発生した。 
*10:グレード5の事象は、二重盲検及び非盲検期間を通して本剤群で7例、二重盲検期間中にプラセボ群で3例発生した。 


EAIR:曝露期間で調整した発現割合 
グレードはNCI-CTCAE Ver.4.03に準じる。

Fizazi K, et al. N Engl J Med 2020; 383(11): 1040-1049
Copyright Ⓒ2020 Massachusetts Medical Society. All rights reserved. Translated with permission.


国際共同第Ⅲ相試験(ARASENS)における注目すべき有害事象*1

■ ARASENS試験(mCSPC)

[因果関係を問わない事象(データカットオフ:2021年10月25日)]

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*1:有害事象のグループ化には、MedDRA 器官別大分類(SOC)、高位グループ語(HLGT)、高位語(HLT)及びMedDRA ラベリング分類(MLG)を用いた。
*2:MedDRA用語のあらゆる骨折および脱臼、四肢骨折および脱臼、骨盤骨折および脱臼、頭蓋骨骨折、顔面骨骨折および脱臼、椎体骨折および脱臼並びに胸郭骨折および脱臼を組み合わせた用語。
*3:MedDRAの高位グループ語。
*4:MedDRA用語の発疹、斑状丘疹状皮疹、薬疹、そう痒性皮疹、紅斑性皮疹、斑状皮疹、丘疹性皮疹、毛孔性皮疹、膿庖生皮疹及び小水疱性皮疹を組み合わせた用語。
*5:事後解析のデータを含む。

EAIR:曝露期間で調整した発現割合 
グレードはNCI-CTCAE Ver.4.03に準じる。

Fizazi K, et al. N Engl J Med 2020; 383(11): 1040-1049 
Copyright Ⓒ2020 Massachusetts Medical Society. All rights reserved. Translated with permission.


国際共同第Ⅲ相試験(ARASENS)における有害事象の概要(グレード別)

 

[因果関係を問わない事象(データカットオフ:2021年10月25日)]

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グレードはNCI-CTCAE Ver.4.03に準じる。 
※ 上記表の安全性データを当局へ提出後、当局からの照会事項に基づき、プラセボ群の2例[悪心、背部痛 各1例(いずれも因果関係は否定された)]を追加報告している。

【有害事象による重篤例・中止例・死亡例の詳細】 
・ 主な重篤な有害事象(1%以上) 
[本剤群:発熱性好中球減少症 40例(6.1%)、好中球数減少 18例(2.8%)、肺炎 16例(2.5%)、好中球減少症 12例(1.8%)、発熱 9例(1.4%)、尿路感染 
7例(1.1%)、COVID-19肺炎 7例(1.1%)] 
[プラセボ群:発熱性好中球減少症 39 例(6.0%)、肺炎 21 例(3.2%)、発熱 15 例(2.3%)、好中球減少症 14 例(2.2%)、好中球数減少 10 例(1.5%)、 
アラニンアミノトランスフェラーゼ増加 8例(1.2%)、尿路感染 7例(1.1%)、脊髄圧迫 7例(1.1%)] 
・ 主な本剤又はプラセボの投与中止に至った有害事象(3例以上) 
[本剤群:アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ増加 6例(0.9%)、アラニンアミノトランスフェラーゼ増加 5例(0.8%)、COVID-19肺炎 4例 
(0.6%)、斑状丘疹状皮疹 3例(0.5%)] 
[プラセボ群:骨痛 9例(1.4%)、肺炎 3例(0.5%)、背部痛 3例(0.5%)、間質性肺疾患 3例(0.5%)] 
・主な死亡に至った有害事象(2例以上) 
[本剤群:COVID-19肺炎 4例(0.6%)、突然死 2例(0.3%)] 
[プラセボ群:全身健康状態悪化 4例(0.6%)、突然死 3例(0.5%)、心停止 2例(0.3%)、死亡 2例(0.3%)、肺炎 2例(0.3%)、肺敗血症 2例(0.3%)]